築30年の沖縄マンションは売れる?データで見る価格と、売る前に確かめる3つのこと

私たち沖縄マンションステーション(マンステ)は、沖縄のマンションを専門にしています。
相談では、まず売る理由を聞いて状況を整理し、合う選択肢を提案しています。
「築30年を超えた部屋を、買う人はいるのだろうか」。
「値段がつくのかも分からない」。
築年数は自分では変えられないので、調べる前から、売るのをあきらめかけている方もいると思います。
築年数だけで「もう売れない」と決めてしまうと、売るか、貸すか、住み続けるかを、比べないまま時間が過ぎていきます。
その間にも、建物は1年ずつ古くなり、管理費や修繕積立金の支払いは続きます。
この記事を書いたのは、築年数の数字だけで判断せず、国のデータと手元の資料で、自分の部屋の位置を確かめてほしいからです。
「マンション売却を、わからないから動けるへ。」を掲げる私たちが、国の公開データを築年数の帯で数え直し、売る前に確かめることを3つにまとめました。
読み終えたあとは、沖縄で築30年を超えた部屋が、1年にどのくらい、いくらくらいで成約しているかが分かります。
自分の部屋が、新耐震基準の区切りのどちら側か、管理の資料に何が書いてあるか、広さは買う人にとってどうかも、書類で確かめられます。
「古いから売れないかも」が、「この資料をそろえて、まず価格を聞いてみよう」に変わります。
- 築30年で売れるか:国の公開データの1年分では、沖縄県の中古マンションの成約396件のうち、築31年以上が80件ありました。
およそ5件に1件です - 価格:築31〜40年の帯の真ん中の価格(中央値)は2,000万円台、築41年以上は1,200万円台です。
築年数が古い帯ほど、㎡単価も下がっています - 確かめる3つ:新耐震基準の区切りと建築確認の日付、管理の資料、広さです
- 聞く相手:建築確認の日付と管理の資料は管理組合か管理会社に、建物の耐震性は建築士などの専門家に、価格は不動産会社に聞きます
- 築30年を超えた部屋が、沖縄で1年にどのくらい成約しているかが分かる
- 自分の部屋が入る築年数の帯の、真ん中の価格と広さが分かる
- 新耐震基準の区切りを、建築確認の日付で確かめる方法が分かる
- 買う人が見る管理の資料を、売る前にそろえられる
- 法定耐用年数の47年を、売れる期限と取り違えずに済む
沖縄の築30年マンションは、売れている?
築30年を超えると、売れないのではと心配になる方は多いと思います。
国の公開データの1年分で、沖縄県の中古マンションの成約396件のうち、築31年以上は80件ありました。
およそ5件に1件で、築30年を超えた部屋も売れています。
国土交通省の不動産情報ライブラリにある成約価格情報を、私たちが築年数の帯ごとに数えると、築31年以上の取引が、1年に80件あったからです。
築21〜30年の43件と合わせると、築21年以上の部屋は123件で、およそ3割になります。
ただし、売れるまでの期間や、売り出した部屋のうち何割が売れたかは、このデータでは分かりません。
沖縄県の中古マンションの成約(2025年4月〜2026年3月・396件)
- 築10年まで:153件
- 築11〜20年:118件
- 築21〜30年:43件
- 築31年以上:80件
数字は、国の成約価格情報を数えたもの
数字は、不動産情報ライブラリの「成約価格情報」のうち、中古マンション等の取引を、私たちが数えたものです。
2026年8月18日に取得したデータで、2026年1〜3月の成約までが入っています。
成約価格情報は、売買契約が成立した(成約した)取引について、指定流通機構が持っている情報を、国土交通省が、取引が分からないように加工したものです。
指定流通機構は、不動産会社どうしで物件の情報をやり取りする仕組み「レインズ」を運営する機関です。
築年数は、取引された年から建築年を引いた年数です。
「沖縄のマンション売却相場はいくら?」の表と、同じデータ・同じ数え方です。
築31年以上の成約は、那覇市に多い
築31年以上の80件のうち、58件は那覇市の取引でした。
那覇市は、取引全体でも396件のうち186件と多いのですが、築31年以上では、その割合がさらに高くなっています。
ほかは、浦添市10件、宜野湾市5件、沖縄市3件などです。
那覇市の築31年以上の真ん中の価格は、1,900万円台です。
浦添市は10件で、真ん中の価格は1,500万円台です(参考)。
ほかの市町村は、築31年以上の取引が10件に届かないので、価格は出していません。
たーくん「こんなに古い部屋、買う人いるの?」と心配になりますよね。
でも大丈夫です。
築30年を超えた部屋でも、買う人はちゃんといます。
県外から沖縄に住みに来る方の勢いも、現場で今も感じています。
大事なのは、同じくらいの築年数の部屋がいくらで売れているかを知って、その価格をもとに売り出すことです。
築年数が古いと、価格はどう変わる?
売れているとしても、いくらくらいになるのかが気になると思います。
築年数の帯が古いほど、真ん中の価格も㎡単価も下がります。
築31〜40年の真ん中の価格は2,000万円台、築41年以上は1,200万円台です。
国の公開データを築年数の帯で数えると、古い帯ほど、真ん中の価格が低くなっていたからです。
㎡単価の中央値も、築10年までの56.5万円に対して、築31〜40年は27.1万円、築41年以上は24.0万円と、半分以下です。
古い帯ほど、部屋の広さの中央値も小さくなっています。
| 築年数の帯(件数) | 価格帯(中央値) | 専有面積の中央値 | ㎡単価の中央値 |
|---|---|---|---|
| 築10年まで(153件) | 4,000万円台 | 75.0㎡ | 56.5万円 |
| 築11〜20年(118件) | 3,700万円台 | 80.0㎡ | 50.0万円 |
| 築21〜30年(43件) | 2,900万円台 | 75.0㎡ | 41.1万円 |
| 築31〜40年(55件) | 2,000万円台 | 65.0㎡ | 27.1万円 |
| 築41年以上(25件・参考) | 1,200万円台 | 55.0㎡ | 24.0万円 |
出典:国土交通省 不動産情報ライブラリの成約価格情報(中古マンション等)をもとに、沖縄マンションステーション(株式会社OKINOWA)が集計。
対象期:2025年第2四半期〜2026年第1四半期(2025年4月〜2026年3月の成約)。
集計条件:取引価格100万円以上、専有面積15㎡以上250㎡以下。
沖縄県全体の数字です。
建築年が分からない2件は、帯から外しています。
価格帯は、帯の中央値を、100万円単位で切り下げたものです。
㎡単価の中央値は、取引ごとに価格を専有面積で割ってから、真ん中を取った値です。
件数が10件から29件の帯には「参考」と付けました。
この表で分かるのは、帯ごとの真ん中の価格までです。
同じ帯の中でも、階、向き、広さ、管理の状態で価格は分かれます。
築31年以上でも、価格の幅は大きい
築31年以上の80件のうち79件は、400万円から3,500万円の間で成約していました。
残りの1件は、1億円を超える例外的な取引です。
同じ「築30年超え」でも、立地や広さ、管理の状態で、価格は大きく分かれます。
表の価格帯や㎡単価から、自分の部屋の価格は計算できません。
自分の部屋が帯の真ん中より上か下かは、広さや管理の資料で見当をつけ、価格は不動産会社の査定で確かめます。
築30年と31年の境目は、売る年で数える
たとえば、2026年に売る部屋の登記事項証明書に、1995年3月に新築と書かれているとします。
2026年から1995年を引くと31年なので、表では築31〜40年の帯です。
登記事項証明書は、手数料を納めれば、誰でも登記所(法務局)で請求できます。
登記事項証明書の床面積は、壁の内側で測った面積です。
分譲のときのパンフレットなどでは、壁の中心で測った面積が書かれていることがあり、その場合は同じ部屋でも数字が違います。
法定耐用年数の47年は、売れる期限ではない
減価償却資産の耐用年数等に関する省令では、鉄筋コンクリート造の住宅の法定耐用年数を47年としています。
これは税金の計算(減価償却)に使う年数で、建物の寿命や、売れる期限を示す年数ではありません。
実際に、表の築41年以上の帯にも、25件の成約があります。
築30年を超えた部屋を売る前に、何を確かめる?
築年数は変えられませんが、買う人が気にする点は、売る前に資料で確かめられます。
確かめるのは、新耐震基準の区切りと建築確認の日付、管理の資料、部屋の広さの3つです。
どれも築年数の数字だけでは分からず、買う人が住宅ローンや住み心地を考えるときに見るところです。
築年数が同じでも、建築確認の日付や管理の状態、広さで、買う人が使える制度や、建物の安心感が変わるからです。
売る前に確かめる3つ
- 1 建築確認の日付:新耐震基準の区切り(1981年6月1日)の前か後か
- 2 管理の資料:これまでの修繕と、この先の予定、修繕積立金
- 3 広さ:登記事項証明書の床面積が、50㎡以上か。
40㎡台なら条件つき
3つは、法律で決められた項目ではありません。
国の資料をもとに、私たちがまとめたものです。
1 新耐震基準は、建築確認の日付で見る
1981年6月1日から施行された耐震基準を、新耐震基準と呼びます。
国土交通省の案内では、震度6強から7程度の揺れでも、家屋が倒壊・崩壊しないことを基準としています。
国土交通省の「マンションの耐震性等についてのQ&A」では、新耐震基準の適用(1981年6月1日)より前に建築確認を受けている場合は、既存の構造計算書では新耐震基準への適合性をチェックできない、としています。
建築確認は、工事の前に、建物の計画が法令に合っているかを確かめる手続きです。
新耐震基準は、1981年6月1日以後に建築確認を受けた建物に適用されるので、完成した年ではなく、建築確認を受けた日で見ます。
建築確認から完成までには工事の期間があるので、1981年から数年のあいだに完成した建物は、完成した年だけでは、どちら側か分からないことがあります。
建築確認の日付は、購入したときの重要事項説明書や、建築確認済証で確かめます。
見つからないときは、管理組合か管理会社に聞きます。
建物の耐震性や、耐震診断が要るかは、建築士などの専門家に聞きます。
買う人の住宅ローン控除にも、建築の時期が関わる
国税庁の案内では、中古住宅を買って住宅ローン控除を受けるには、1982年1月1日以後に建築された住宅であることが要件の一つです。
それより前に建築された住宅では、耐震基準に合うことの証明などが別に要ります。
同じ案内では、床面積が50㎡以上であることも、要件の一つです。
40㎡以上50㎡未満でも、買う人の所得が1,000万円以下などの条件を満たせば、使える場合があります。
住宅ローン控除を使えるかどうかは、買う人が部屋を選ぶときの材料の一つになります。
売る前に、建築の時期と床面積を書類で確かめ、担当の不動産会社に伝えておきます。
2 管理の資料で、修繕の履歴と予定を見る
修繕がいつ行われ、これからどう予定されているかは、築年数からは分かりません。
管理組合か管理会社に、次の資料を見せてもらいます。
- 修繕の履歴:大規模修繕(建物全体をまとめて直す工事)が、いつ、何回行われたか
- 長期修繕計画:この先の修繕の予定と、次の大規模修繕の予定年
- 決算の報告:修繕積立金の、決算の時点の残高
- 総会の議事録:管理費などの滞納があるか、管理組合がどう対応しているか
国土交通省の令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査では、2回目の大規模修繕工事をしたときの築年数の中央値は28年、3回目以上は40年でした。
令和5年度マンション総合調査では、修繕積立金が計画に比べて不足しているマンションが36.6%でした。
管理費や修繕積立金を3か月以上滞納している住戸があるマンションは、30.1%でした。
どれも全国の集計で、沖縄県だけの値でも、自分のマンションの状態を示す値でもありません。
自分のマンションではどうかを、上の資料で見ます。
潮風を受けやすい建物では、外壁や手すりなど鉄の部分の修繕の時期も、資料で見ておくと安心です。
たーくん「古いと、建物の状態を疑われそう」と気になりますよね。
買う人は、築年数だけでなく、管理がしっかりしているかも見ています。
同じエリアでも、管理の状態で、反応ははっきり分かれます。
修繕の記録や長期修繕計画を管理会社から先にもらっておけば、「きちんと手入れされてきた建物」だと伝えられます。
管理のことは、買う人への重要事項説明にも入る
宅地建物取引業法施行規則では、マンションを売買するとき、不動産会社が買う人に説明する事項(重要事項説明)に、管理のことも入っています。
修繕の費用を積み立てる規約の定めがあるときはその内容と、すでに積み立てられている額。
通常の管理費用の額。
建物の維持修繕の実施状況が記録されているときは、その内容です。
管理の資料を売る前にそろえておくと、担当の不動産会社が、買う人に説明する準備を早く進められます。
3 広さは、登記事項証明書の床面積で見る
表のとおり、古い帯ほど、部屋の広さの中央値は小さくなっています。
築41年以上の帯の中央値は55.0㎡です。
住宅ローン控除の要件にある50㎡は、登記事項証明書の床面積で見ます。
住宅ローン控除の建築の時期も、建築確認の日ではなく、登記事項証明書の新築の日付で見るので、耐震基準の区切りとは別に確かめます。
自分の部屋の床面積が50㎡の前後なら、登記事項証明書で、正確な数字を確かめておきます。
リフォームしてから売る?そのまま売る?
築年数の古い部屋では、直してから売るほうがよいのか、迷う方も多いと思います。
決める前に、そのままの状態での価格を、不動産会社に聞きます。
そのうえで、知っている不具合を告知書で伝え、そのまま引き渡すか、直してから引き渡すかを決めます。
リフォームにかけた費用が、そのまま売れる価格に上乗せされるとは限らないからです。
買ったあとに、自分の好みで直したい人もいます。
そのままの価格と、直したあとの見込みを並べて聞く
担当者には、そのままで売り出した場合の価格の見込みと、直した場合の価格の見込みを、並べて聞きます。
リフォームの見積もりは、その差と比べて考えます。
どちらがよいかに、決まった答えはありません。
部屋の状態と、売るまでにかけられる時間とお金で変わります。
知っている不具合は、告知書で伝える
知っている不具合は、告知書で伝えます。
告知書は、部屋の設備や状態を説明する書面です。
そのまま引き渡すか、直してから引き渡すかも、売買契約書に書いてもらいます。
年数がたつと、水まわりや配管の不具合が見つかることがあります。
知っていることや気付いていることは、隠さずに担当者に伝えておくと良いでしょう。
たーくん「直してからじゃないと売れないのかな」と迷いますよね。
直さなくても、売り方はあります。
不動産会社に買い取ってもらうなら、部屋の見た目は、価格にほとんど響きません。
一般のお客様に売るなら見た目の印象は出るので、そのままの価格と、修繕した場合の価格を比較してから決めましょう。
まとめ:築30年を超えても売れているので、資料をそろえて価格を聞く
この記事の要点です。
- 国の公開データの1年分では、沖縄県の中古マンションの成約396件のうち、築31年以上が80件ありました。
- 築年数の帯が古いほど、真ん中の価格も㎡単価も下がります。
築31〜40年は2,000万円台、築41年以上は1,200万円台です。 - 法定耐用年数の47年は、税金の計算に使う年数で、売れる期限ではありません。
- 売る前に、建築確認の日付、管理の資料、登記事項証明書の床面積を確かめます。
- リフォームは、そのままの価格を聞いてから決めます。
知っている不具合は、告知書で伝えます。
築年数の数字だけで、売れるかどうかを決める必要はありません。
自分の部屋の帯と、手元の資料が分かれば、売る、貸す、住み続けるを、同じ材料で比べられます。
不動産会社にも、資料を見せながら、根拠のある価格を聞けます。
まずは、登記事項証明書か購入したときの書類で、新築の年月と床面積を確かめて、この記事の表で自分の帯を選んでください。
そのあとで、管理会社に、いちばん新しい長期修繕計画を見せてもらいます。
\売ると決める前でも相談できます/
築年数の古い部屋が、いまいくらくらいで売れそうかを知りたいときは、LINEで聞いてください。
査定は、お名前と電話番号を入れずに申し込めます。
こちらから電話をすることもありません。
出典
- 不動産情報ライブラリ(国土交通省)
- 不動産情報ライブラリ 利用規約(国土交通省)
- <新耐震基準>を満たす住宅とはどういう意味ですか(国土交通省)
- マンションの耐震性等についてのQ&A(国土交通省)
- No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)(国税庁)
- 令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査(国土交通省)
- 令和5年度マンション総合調査結果(国土交通省)
- 宅地建物取引業法施行規則(e-Gov法令検索)
- 減価償却資産の耐用年数等に関する省令(e-Gov法令検索)
- 5-2 物件情報を提供する(不動産ジャパン)
- 不動産登記法(e-Gov法令検索)
- 不動産登記規則(e-Gov法令検索)
