【5つの観点】沖縄のマンション査定書の見方|査定価格の根拠を自分で確かめる方法!

私たち沖縄マンションステーション(マンステ)は、沖縄のマンションを専門にしています。
相談では、まず売る理由を聞いて状況を整理し、合う選択肢を提案しています。
「査定書が届いたけど、金額の他にどこを見ればいいのか分からない」
何ページもある書面を受け取って、いちばん目立つ金額だけを見て終わり!って方もいると思います。
「金額だけを見ていると、その金額がどの取引と比べて出されたのか」
「自分の部屋の情報が正しく使われたのか」
このような疑問が分からないままになります。
その疑問が分からないままでいると、何社かに頼んだ時に、金額のいちばん高い会社に根拠を聞かないまま決めてしまいかねません。
この記事を書いたのは、査定書の金額だけでなく、その根拠を自分で読めるようになってほしいからです。
「マンション売却ってそうなんだ!」を掲げる私たちが、公表されている査定書の見本をもとに、5つの観点で解説します。
読み終えたあとは、査定書を開いたら、部屋の情報の欄から順に読んで、分からない欄に印を付けられるようになります。
何社かの査定書が届いたら、金額の高さではなく、根拠の事例が自分の部屋にどこまで近いかと、その違いの説明で見比べられます。
「金額しか分からない」で止まっていた手を、「ここを聞いてみよう!」と具体的に行動に移せるようになります。
- 査定書とは:査定価格と、その根拠を示すための書面です。
- 5つの観点:部屋の情報・比べた事例・価格の理由・査定価格と日付・注意書きの順に読みます
- 見比べ方:何社かの査定書は、前提をそろえたうえで、根拠の事例が自分の部屋にどこまで近いかと、その違いの説明で見比べます
- 担当者に聞くこと:分からないところを一つ選び、何と比べて、どう考えたかを聞きます
- 査定書のどこから読めばよいかが分かり、金額だけを見て閉じずに済む
- 自分の部屋の情報が正しく使われているかを、手元の書類で確かめられる
- 比べた事例と価格の理由から、査定価格が出された筋道を追える
- 何社かの査定書を、金額の高さではなく、根拠の事例が自分の部屋にどこまで近いかと、その違いの説明で見比べられる
- 分からないところを、担当者への質問にできる
マンションの査定書には、何が書いてある?
査定を頼むと、不動産会社から査定価格が届きます。
書面で届くときは、査定書、価格査定書、売却価格提案書など、会社によってさまざまなタイトルで送られてきます。
この記事では、まとめて「査定書」と呼びます。
査定書は、査定価格とその価格を出した根拠を示すための書面です。
ちなみにマンションでは、似た部屋の取引の事例と比べて価格を出すのが一般的です。
不動産会社には、媒介契約に書く売出価格について意見を言うときに、根拠を示す決まりがあります。
中古マンションの査定では、似た部屋の取引と比べる方法が一般的だと、公表されている査定の資料でも説明されています。
査定の流れは、「沖縄のマンション査定はどれから?」に詳しく書いてあります。
媒介契約に書く価格の意見には、根拠を示す決まりがある
不動産会社は、媒介契約に書く売出価格や評価額について意見を言うときは、その根拠を明らかにしなければなりません。
国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」では、根拠は、同じような物件の取引の事例などを使った、筋道の通る説明であることとされています。
根拠は口頭で示しても書面で示してもよいとされており、書面で示す場合は、他の目的にみだりに使用しないように売主様へ求めることになっています。
ちなみに、査定費用は無料でおこなっております!
根拠は口頭で解説されることも許容されているので、都度、メモを取っておくと良いと思います!
日付と注意書き・部屋の概要・評価・査定条件表の順に並ぶ
実は、査定書は決まった書式がありません。
不動産ジャパンの「3-3 物件の価格査定を依頼する」では、根拠の説明の仕方は、価格査定書などの書面、取引の事例などのデータ、経験に基づく相場の情報など、会社によってさまざまだとされています。
実際に、私たちが実務で経験していると、不動産会社によって査定書はそれぞれ異なります。
参考になるのが、公益財団法人不動産流通推進センターの価格査定マニュアルです。
価格査定マニュアルは、査定に使うソフトで、所有者から聞いた内容や現地で調べた内容、査定する人が目で見たデータ、記録や証明の書類等の内容を入れると、査定価格が出て、「売却価格提案書」も作れます。
同センターが公表している「不動産売却価格ご提案書(マンション版)」の見本(査定算出日が2017年のもの)は、次の順番です。
- 最初 :査定算出日と、3つの注意書き
- 査定不動産の概要と特徴:「査定マンションの概要」の欄にある所在地、専有面積、築年月、所在階数、管理費などの部屋の情報と、セールスポイント
- マンションの評価 :査定マンションと事例マンションの評点、算出式、評価に関するコメント
- 査定条件表 :評点をつけた項目ごとの、査定マンションと事例マンションの情報
査定マンションは査定する部屋があるマンションであり、事例マンションは比べた取引の事例のマンションです。
評点は、交通の便や所在階などの項目ごとにつける点数です。
同センターのページにあるいまの見本にも、査定マンションの概要、マンションの評価、算出式、査定条件表が並んでいます。
ただ、これはあくまで見本です。
実際に届く査定書は、会社によって並びも書き方も違っていて、点数を付けずに、違いを言葉で説明している査定書もあります。
なので、届いた査定書が見本と同じ並びになっているとは限らないんです。
そこでこの記事では、見本の並びに頼らずに、どの会社の査定書でも使える「5つの観点」で、読み方をお伝えしていきます!
マンションの査定価格は、似た部屋との違いを考えて出す
そもそも、査定価格ってどうやって出しているのか、ご存じですか?
マンションの場合、ざっくり言うと、似た部屋がいくらで売れたかを物差しにして、自分の部屋との違いを考えて出しています。
同センターの査定方法の概要では、中古マンションの査定は、次の流れで価格を出す方法(事例比較方式)が一般的だとされています。
- 同じマンションか、似たマンションの取引の事例から、比べる住戸を選ぶ
- 事例の住戸と、自分の部屋の条件を比べる
- 条件の違いを価格に表して、査定価格を出す
例えば、比べる事例が同じマンションの5階の部屋で、自分の部屋が8階だったとしますよね。
このとき、3つ上の階であることを、価格の上でどう考えるか。
こういう違いを1つずつ考えて、金額に表していく、というイメージですね。
同じ資料では、比べる条件のうち、評価が大きく変わるとされているのが、所在階や室内の維持管理の状況、耐震性などです。
室内の維持管理の状況がよいほど、耐震性が高いほど、所在階が高いほど評点が上がる、という例も載っています。
細かい比べ方は会社によって違いますが、査定書を読むときに押さえたいところはどの会社でも同じで、「どの取引と比べたのか」と「自分の部屋との違いをどう考えたのか」の2つなんです。
次の章から、この2つを5つの観点に分けて、一緒に読んでいきましょう!
査定書は、どの順に読む?
査定書を開いたら、やっぱり最初に金額を見ちゃいますよね。
いくらで売れそうかが、いちばん気になるところなので、当然だと思います。
ただ、読む順番でおすすめしたいのは、金額より先に部屋の情報です。
部屋の情報・比べた事例・価格の理由・査定価格と日付・注意書きの5つの観点を、この順に見ていきましょう。
なぜかというと、査定価格は、自分の部屋の情報と、比べた事例の情報の違いをもとに出されているからです。
もし部屋の情報が違っていたら、そこから選んだ事例も、出てきた金額も、自分の部屋に合わないものになってしまいます。
シャツのボタンと同じで、最初の1つを掛け違えると、下まで全部ずれてしまうんです。
査定書は、5つの観点の順に読む
- 観点1 部屋の情報:所在地・専有面積・築年月・所在階などが、自分の部屋と合っているか
- 観点2 比べた事例:どの取引と比べたか。
売れた価格か、売り出している価格か。
自分の部屋と近いか - 観点3 価格の理由:自分の部屋と事例の違いを、どう考えたか。
その理由が書いてあるか - 観点4 査定価格と日付:1つの金額か、幅か、いくつかの案か。
いつの時点の価格か - 観点5 注意書き:どんな前提で出した価格か
5つの観点は決まった様式ではなく、私たちがまとめた読む順番です。
査定書の欄の名前や並びは、会社によって違います。
自分の査定書に見当たらない観点があっても、心配しなくて大丈夫です。
第4章の聞き方を使って、担当者に聞いてみてください!
観点1 部屋の情報は、手元の書類と見比べる
まずは、部屋の情報からです。
ここは、査定書の数字と手元の書類の数字を見比べるだけなので、5つの中でいちばん気軽にできるところかなと思います。
部屋の情報は、購入したときの書類と、いま払っている額で確かめられます。
見比べるのは、主にこの2つです。
- 所在地・マンション名・専有面積・築年月・間取り・所在階:購入したときの重要事項説明書や売買契約書、登記事項証明書と見比べる
- 管理費・修繕積立金:いま払っている額と見比べる。
購入したときの額から変わっていることがあります
中でも、ちょっと気をつけてほしいのが専有面積です。
というのも、同じ部屋でも、書類によって面積の数字が違うことがあるんですよね。
登記事項証明書の床面積は、壁の内側で測った面積です。
分譲のときのパンフレットなどでは、壁の中心で測った面積が書かれていることがあり、その場合は同じ部屋でも数字が違います。
専有面積は査定価格を出すときにも使われる数字なので、ここがずれていたら困りますよね。
もし査定書の面積が手元の書類と違っていたら、「どの書類の面積を使いましたか?」と担当者に聞いてみてください。
手元に書類が見当たらないときは、登記事項証明書を取り寄せるのも一つの手です。
登記事項証明書は、手数料を納めれば、誰でも登記所(法務局)で請求できます。
あとは、査定のときに伝えたことが、ちゃんと部屋の情報に入っているかも見ておきましょう。
不動産ジャパンのページでも、正確に査定してもらうために、物件の不具合などの情報もできるだけ伝えることが大切だとされています。
伝えたはずのことが抜けていたら、もう一度伝えておくと安心です!
観点2 比べた事例は、売れた価格か、どこまで近いかを見る
次は、比べた事例を見ていきましょう。
ここは査定価格の根拠そのものなので、5つの中でもいちばんじっくり読んでほしいところです。
事例を見るときに確かめたいのは、「売れた価格なのか」と「自分の部屋にどこまで近いのか」の2つです。
査定価格は事例の価格をもとに出されるので、事例が自分の部屋とかけ離れていたら、査定価格もずれてしまいますよね。
まず1つ目の「売れた価格なのか」です。
事例の価格には、実際に売れたときの価格(成約価格)と、いま売りに出している価格(売出価格)があります。
売出価格は、売主様が「これくらいで売りたい」と決めた価格なので、まだ売れた価格ではないんです。
書面を見てもどちらか分からないときは、担当者に聞いてみてください。
ちなみに、国土交通省の考え方でも、査定のために集める取引の事例の情報は、売買契約が成立したときの価格(成約価格)、成約の時期、物件に関する情報とされています。
売り急ぎや買い急ぎなど、特別な事情のある取引の事例は、集める対象にしないことになっています。
で、2つ目の「どこまで近いのか」は、この3つで見てみてください。
- 同じマンションの取引か、近くの別のマンションの取引か
- 売れた時期は、最近か
- 築年数・広さ・間取り・階は、自分の部屋と近いか
ただ、ここでひとつ知っておいてほしいのが、条件の近い部屋どうしでも、売れた価格にはけっこう開きがある、ということです。
私たちが、国土交通省の不動産情報ライブラリで公開されている成約価格情報から、浦添市の築11〜20年・専有面積60〜80㎡のマンションの取引を数えたところ、2025年4月〜2026年3月の1年間で7件ありました。
その7件でも、売れた価格は2,700万円から4,500万円まで、1,800万円の開きがあります。
出典:国土交通省 不動産情報ライブラリの成約価格情報(中古マンション等)をもとに、沖縄マンションステーション(株式会社OKINOWA)が集計。
対象期:2025年第2四半期〜2026年第1四半期(2025年4月〜2026年3月の成約)。
集計条件:浦添市、築11〜20年(取引された年から建築年を引いた年数)、専有面積60㎡以上80㎡以下、取引価格100万円以上。
同じ浦添市で、築年数も広さも近いのに、これだけ違うんです。
データだけだと、この差がどこから来ているのかまでは分かりません。
だから、事例が近いかどうかだけで終わらせずに、その違いをどう考えたかを、次の観点3で読んでいきます。
国の公開データで、自分の部屋に近い取引の数字を読む方法は、「沖縄のマンション売却相場はいくら?」に詳しく書いてあるので、あわせて読んでみてください。
たーくん「比べている部屋、うちとは階も向きも違うのに…」と思いますよね。
国の公開データで確かめたくなりますが、じつはこのデータ、どの部屋の取引か分からないように、金額や広さを丸めてあって、階や向きも載っていません。
だから、データの金額と、うちの部屋が実際に売れる金額は、ずれることが多いんです。
データはおおまかな目安にして、担当者に価格の根拠を聞いてみるのが良いと思います。
観点3 価格の理由は、違いをどう考えたかを読む
事例の部屋と自分の部屋を見比べていると、「リフォームもしていないし、広さも少し違う。それって金額に入っているの?」って気になってきますよね。
実は、そこが査定書でいちばん大事なところなんです。
事例とまったく同じ部屋って、まずないですよね。
だからこそ、その違いを担当者がどう考えて金額にしたのかが、査定価格の根拠のいちばん真ん中になります。
この違いの考え方は、査定書によって書き方がさまざまで、見本のように点数(評点)で表している査定書もあれば、言葉で説明している査定書もあります。
ただ、どちらの書き方でも、見てほしいところは同じです。
「どこが違うのか」と「その違いを金額にどう表したのか」が、ちゃんとつながっているかどうか。
例えば、事例の部屋はリフォーム済みで、自分の部屋は買ったときのままだったとします。
このとき、価格の理由に「室内の状態が違う分を、差し引いて考えました」と書いてあれば、なるほどって納得できますよね。
逆に、違うところがあるのに何も書いていなかったり、自分の部屋の事実と合わない理由が書いてあったりしたら、そこに印を付けておいて、担当者に聞いてみましょう!
観点4 査定価格は、出し方と日付をセットで読む
次は、いよいよ金額です。
金額のところでは、「どうやって出した金額なのか」と「いつの時点の金額なのか」を、セットで見てください。
同じ部屋でも、売り方や売る時期によって、見込める価格は変わってくるからです。
その前に、ひとつだけ押さえておきたいことがあります。
査定価格・売出価格・成約価格は、名前は似ていますが、不動産売買の手引では、それぞれ別の価格として説明されています。
流れの順に並べると、こうなります。
- 査定価格:不動産会社が査定した価格
- 売出価格:売主様が不動産会社と話し合って決める、実際に売りに出す価格
- 成約価格:買主様と合意して、実際に売れた価格
要は、査定書に書いてある金額は、この中のいちばん最初の、査定価格なんです。
そのうえで、金額の出し方を見てみてください。
査定価格は、1つの金額で書かれていることもあれば、幅を持たせて書かれていたり、いくつかの案で書かれていたりすることもあります。
いくつか案があるときは、それぞれの金額で、売れるまでにどのくらいの期間を見込んでいるかも、一緒に見ておくと良いと思います。
私たちは、査定のときに価格を1つではなく、4つお出ししています。
売り方によって、売れるまでの期間の見込みが変わるからです。
4つの価格の考え方は、「沖縄のマンション売却相場はいくら?」の最後で紹介しているので、気になる方はのぞいてみてください。
あとは、日付ですね。
査定価格は、査定した日の時点での見込みなので、市場が動けば変わることがあります。
日付の離れた査定書を並べて比べるときや、査定してから少し時間がたって売り出すときは、日付も確かめておきましょう!
観点5 注意書きは、査定の前提を読む
最後は、注意書きです。
「注意書きって、あの小さい字のところでしょ?」と、つい読み飛ばしてしまいがちですよね。
でも、注意書きには、その査定価格をどんな前提で出したのかが書いてあるんです。
見本の注意書きにも、ほかの用途には使えないことや、報告した日現在の内容であることが書かれています。
前提でもう一つ大事なのが、机上査定なのか、訪問査定なのか、というところです。
- 机上査定:周辺の取引の事例や公的な価格情報から出す査定
- 訪問査定:物件の状態を確かめ、登記記録や法規制なども調べる査定
机上査定は部屋の中を見ずに出す査定なので、部屋の状態が金額にどう響くかまでは、まだ分かりません。
だから、机上査定の査定書を受け取ったら、「部屋を見てもらったら、変わりそうなところはありますか?」と担当者に聞いておくと、あとで慌てずに済みます!
何社かの査定書は、どう見比べる?
「会社ごとに金額がバラバラで、どれを信じればいいの?」
何社かに査定を頼むと、こんなふうに迷うこともあると思います。
そんなとき、つい、いちばん高い金額の会社に目がいっちゃいますよね。
気持ちは、すごく分かります。
ただ、金額の高い順に並べるのではなく、5つの観点を同じ順に読んで、根拠の事例が自分の部屋にどこまで近いかと、その違いの説明で見比べてほしいんです。
不動産ジャパンの価格査定のページでは、高い査定価格を示した会社がよい会社とは限らない、としているからです。
仲介を頼まれたいために、あえて高い査定価格を示す会社もある、とも書かれています。
私たちも、信頼できる会社かどうかは、やっぱり査定額の高さではなく、説明にちゃんと根拠があるかで分かると思うんですよね。
実際に、私たちが見てきた中にも、内覧が入らず、その原因が頼んでいた不動産会社の動きにあったケースがあります。
振り返ると、そのほとんどは「高預かり」だったケースです。
高預かりというのは、相場より高い価格を出して、媒介契約を取ることです。
前提をそろえてから、金額の差を見る
金額の差を見る前に、まず前提がそろっているかを確かめておきましょう。
不動産ジャパンのページでも、何社かに頼むなら、どの会社にも同じ物件の情報を渡すことが大切だとされています。
渡した情報が会社ごとに違っていたら、そもそも査定価格を比べようがないですよね。
査定書が並んだら、次の3つがそろっているか、見てみてください。
- 観点1の部屋の情報:専有面積などの数字が、どの査定書でも同じか
- 観点4の日付:査定した日が、大きく離れていないか
- 観点5の前提:机上査定か訪問査定かが、そろっているか
で、もしそろっていなかったら、金額の差には前提の違いも混ざっています。
その場合は、前提をそろえて比べられるように、担当者に相談してみましょう!
金額の差は、事例の違いで説明してもらう
例えば、浦添市の築20年・70㎡の部屋で、2社から査定書が届いたとします。
A社は同じマンションの別の階の取引と、B社は近くの別のマンションの取引と比べていました。
観点2で見たとおり、条件の近い部屋どうしでも、売れた価格には開きがあります。
なので、どの取引を事例に選ぶかで査定価格が変わってくるのは、ある意味、自然なことかなと思います。
大事なのは、どっちの金額が高いかより、それぞれの事例が自分の部屋とどこが違って、その違いをどう説明しているかです。
同じマンションの取引なら階や室内の状態の違いを、別のマンションの取引なら立地や建物、管理の違いを、価格の理由のところで読んでみてください。
どっちの事例がいいかに、決まった答えはありません。
その事例を選んだ理由と、自分の部屋との違いの説明に、筋が通っているか。
そこを見比べてみてください!
査定書のほかに、販売計画や仲介手数料なども合わせて会社を比べるときは、「沖縄のマンション査定はどれから?」で紹介している、どの会社にも聞く5つの項目が使えます。
何社かの査定書の見比べ方を、知る前と知ったあと
指で左へ動かすと、知ったあとが見えます ←
知る前
金額の高い順に並べて選ぶ
前提や根拠の違いが、見えない
知ったあと
5つの観点を、同じ順に読んで見比べる
- 部屋の情報と前提が、そろっているか
- 根拠の事例が、自分の部屋に近いか
- 違いの説明に、筋道が通っているか
たーくん「こんなに金額が違うなら、いちばん高い会社に頼みたい」と思いますよね。
でも、査定の金額は「この値段で売れます」という約束ではなく、売り出す値段を決めるための参考なんです。
高すぎる値段で売り出して、問い合わせがないまま1か月、2か月とたっていく。
それが売主さんにとっていちばん不幸な形だと、私は思っています。
そうならないために、高い金額だからすぐに飛びつくことはせず、総合的に判断されることをおすすめします。
分からないところは、担当者にどう聞く?
5つの観点で読んでいくと、「ここ、どういう意味だろう?」とか「これ、書いてないな」というところが、きっと出てくると思います。
そんなときは、分からないところを一つ選んで、どこの話かを伝えたうえで、何と比べて、どう考えたのかを聞いてみてください。
どこの話かが分かれば、担当者も何を説明すればいいかがすぐ分かるので、話が早いんです。
不動産ジャパンのページでも、価格査定の説明があいまいだと感じたら、納得できるまで説明を求めるよう勧めています。
観点ごとの聞き方の例
観点ごとに、聞き方の例をまとめてみました。
部屋の情報なら、こんな感じで聞けます。
査定書の専有面積が、登記事項証明書の床面積と違うようです。
どの書類の面積を使いましたか。
比べた事例なら、こう聞いてみてください。
この事例の価格は、売れた価格ですか、それとも売り出している価格ですか。
この事例を選んだ理由も教えてください。
価格の理由なら、こうです。
比べた事例と私の部屋は、どこが違いますか。
その違いを、価格にどう表しましたか。
日付と前提は、まとめて聞いてしまって大丈夫です。
この査定価格は、いつの時点のものですか。
机上査定と訪問査定の、どちらの結果ですか。
部屋を見てもらうと、変わりそうなところはありますか。
どれも、そのまま使ってもらってかまいません!
事例の部屋の名前より、違いの説明を聞く
「比べた事例って、どのマンションの何階の部屋なんだろう?」
と、事例の部屋そのものが気になることもあると思います。
ただ、国土交通省の考え方では、取引の事例にはほかのお客さまの秘密に関わるものが含まれていることを考えて、事例を扱うよう不動産会社に求めています。
不動産会社が事例を説明するときは、売主様に、その事例をみだりに口外しないよう求めることになっています。
なので、事例について聞くときは、「どの部屋か」よりも、「自分の部屋とどこが違って、どう比べたのか」を聞いてみてください。
そのほうが、本当に知りたいことに、まっすぐ答えてもらえると思います。
たーくん「こんなに細かく聞いたら、めんどくさい客って思われないかな…」って気になっちゃいますよね。
でも、売り出す値段について意見を言うとき、不動産会社には、その理由を示す決まりがあるんです。
だから、聞くのは遠慮しなくていいんです。
分からないところがあったら、遠慮なく聞いてみてくださいね!
まとめ:査定書は、部屋の情報から5つの観点の順に読む
最後に、この記事のポイントを振り返っておきます。
- 査定書は、査定価格と、その根拠を示すための書面です。
名前や書式は会社によって違い、決まった様式はありません。 - 不動産会社は、媒介契約に書く売出価格や評価額について意見を言うときは、その根拠を明らかにしなければなりません。
根拠の示し方は、口頭でも書面でもかまいません。 - マンションの査定価格は、似た部屋の取引を事例に選び、自分の部屋との違いを考えて出します。
条件の近い部屋どうしでも、売れた価格には開きがあります。 - 査定書は、部屋の情報・比べた事例・価格の理由・査定価格と日付・注意書きの5つの観点の順に読みます。
- 何社かの査定書は、前提をそろえたうえで、金額の高さではなく、根拠の事例が自分の部屋にどこまで近いかと、その違いの説明で見比べます。
- 分からないところは、どこの話かを伝えて、何と比べてどう考えたかを担当者に聞きます。
5つの観点の順に読めば、査定書を金額だけ見て閉じることがなくなって、その金額がどうやって出されたのかを、自分で追えるようになります。
何社かの査定書が届いても、金額の高さに振り回されずに根拠を見比べて、分からないところは担当者に聞けるはずです。
まずは、査定書の部屋の情報にある専有面積を、手元の書類の数字と見比べるところから始めてみてください。
まだ査定書が届いていない方も、いまのうちに手元の書類で専有面積と築年月を確かめておくと、届いたときにすぐ見比べられます!
\売ると決める前でも相談できます/
査定書のどこを見ればよいか迷うときや、価格の目安だけ知りたいときは、LINEで聞いてください。
査定は、お名前と電話番号を入れずに申し込めます。
こちらから電話をすることもありません。
